基礎代謝を上げるサプリや食べ物、確実に基礎代謝を上げる方法
基礎代謝を上げるサプリを紹介するサイトがありますが、本当にサプリに基礎代謝を上げる効果があるのでしょうか?
また、基礎代謝を上げる食べ物にはどんなものがあるのでしょうか?
基礎代謝を上げるサプリや食べ物とその効果を説明するとともに、確実に基礎代謝を上げる方法を解説します。
目次
基礎代謝を上げるサプリってある?
たまに基礎代謝を上げるサプリとして、L-カルニチンやα-リポ酸、アミノ酸などの脂肪燃焼系のサプリを勧めているサイトを見かけます。
しかし、これらのサプリは飲んだ時だけ脂肪が燃焼するサプリであって、基礎代謝を上げるサプリではありません。
要するに、飲んだ瞬間だけしか効果がなく、継続的に痩せる体質にはなれないわけです。
さらに問題なのは、こういった脂肪燃焼系サプリ(L-カルニチンやα-リポ酸、アミノ酸など)は効果がないことです。だから、飲んでも脂肪は燃焼せず、全く痩せないのです。
参考までにL-カルニチンのダイエット効果に関する試験結果を引用すれば、「8週間摂取させても体重、体脂肪率に影響は認められなかった」ということです。
基礎代謝を上げるサプリどころか、脂肪燃焼系サプリは「脂肪燃焼効果」さえ疑わしいわけですね。
基礎代謝を上げる食べ物ってある?
もし基礎代謝を上げる食べ物があるとすれば、どの食べ物がそれに該当するのでしょうか。
基本的な考え方として、食べることによって基礎代謝を上げるような食べ物はありません。しかし、栄養不足が招いていた基礎代謝の低下を食い止める食べ物はあります。
基礎代謝の低下を食い止める栄養素は、特定のビタミンとミネラルです。
ビタミンでは「ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、パントテン酸、ビオチン」の6種類です。
ミネラルでは「リン、銅、マンガン、ヨウ素」の4種類です。
これらのビタミン・ミネラルを含むものが一応、基礎代謝を上げる食べ物だと言えるでしょう。
各種のビタミンとミネラルの作用について解説していきます。
基礎代謝に関係するビタミン
■ビタミンB1
ビタミンB1は炭水化物と糖質の代謝を助けることで、基礎代謝に関わるビタミンです。ご飯や甘いものをエネルギーに変換する時に必要なビタミンですね。
糖質が多い食べ物(甘いもの)やアルコールの多量摂取時には多量のビタミンB1を必要とするため、体内で不足しがちになります。
ビタミンB1が多い食べ物は小麦胚芽、ごま、まいたけ、豚の赤身肉などです。
■ビタミンB2
ビタミンB2は脂肪をエネルギーに変換することで、基礎代謝に関与するビタミンです。ビタミンB2が不足すれば脂肪が燃焼しにくい体になるわけですね。
ビタミンB2は肌や爪、髪の毛を美しくするビタミンでもあります。
ビタミンB2が多い食べ物は白鮭のめふん、アマノリ、カタクチイワシ、しじみなどです。
■ナイアシン
ナイアシンは体のエネルギー産生や脂質の代謝を助けることで、基礎代謝に関わっているビタミンです。ナイアシンが不足するとエネルギー代謝が低下するわけですね。
ナイアシンは肌の健康を保つ栄養素でもあります。
ナイアシンが多い食べ物はまいたけ、たらこ、かつお(魚)、かつお節、マグロなどです。
■ビタミンB6
ビタミンB6はたんぱく質の代謝を助けることで、基礎代謝に関わるビタミンです。ビタミンB6が不足するとたんぱく質からのエネルギー生産効率が落ちるわけですね。
ビタミンB6は肌の健康維持を助ける栄養素でもあります。
ビタミンB6が多い食べ物は小麦胚芽、ピスタチオ、マグロ、抹茶、牛のレバーなどです。
■パントテン酸
パントテン酸は糖質や脂肪酸の代謝を助けることで、基礎代謝に関与するビタミンです。パントテン酸が不足するとエネルギー代謝の効率が落ちるわけですね。
パントテン酸が多い食べ物はしいたけ、鶏・豚・牛のレバーと腎臓、鶏卵の卵黄などです。
■ビオチン
ビオチンは糖質と脂質、アミノ酸の代謝を助けることで、基礎代謝に関わるビタミンです。ビオチンが不足するとエネルギーの生産効率が落ちるわけですね。
ビオチンが多い食べ物は鶏・豚・牛のレバーと腎臓、落花生(ピーナツ)、鶏卵の卵黄などです。
基礎代謝に関係するミネラル
■リン
リンは脂質の代謝やエネルギー代謝を助けることで、基礎代謝に関与するミネラルです。リンが不足するとエネルギー代謝が低下するわけですね。
ただし、リンは現代の食生活で不足することはほぼありません。なぜなら、加工食品には食品添加物としてリンがよく添加されているからです。
■銅
銅はたんぱく質と結合して銅酵素となり、エネルギーの生成を助けるミネラルです。銅が不足するとエネルギーの生産効率が落ちるわけですね。
銅が多い食べ物は牛・豚のレバー、干しえび、ピュアココア、シャコ、ホタルイカなどです。
■マンガンは糖質や脂質、たんぱく質の代謝を助けることで、基礎代謝に関わっているミネラルです。マンガンが不足すると基礎代謝が低下するわけですね。
マンガンが多い食べ物はあおさ、青のり、鮎の内臓、きくらげ、アマランサスなどです。
■ヨウ素
ヨウ素は基礎代謝を調整する役割を持つ甲状腺ホルモンの生成を助けるミネラルです。要素が不足すると基礎代謝の調整機能に支障をきたすわけですね。
ただし、ヨウ素は通常の食生活を行う限りは不足しない栄養素です。なぜなら、日本にはヨウ素を含む魚介類や海藻類が豊富にあるからです。
逆にサプリで補うとヨウ素の過剰摂取による健康障害が問題になります。
基礎代謝の低下を防ぐ食べ物と考える
上記の基礎代謝に関係するビタミン・ミネラルは、基礎代謝を上げる食べ物というより、基礎代謝の低下を防ぐ食べ物として考えることが重要です。
要するに、これらのビタミン・ミネラルを補っても、積極的に基礎代謝を上げる効果はありません。
これらのビタミン・ミネラルが不足したら基礎代謝が正常値よりも低下するので、基礎代謝を本来の正常値に戻すために補う、という考え方をするべきです。
筋肉と基礎代謝の関係
筋肉を増やすと基礎代謝が上がるとよく言われていますが、実際のところ、筋肉量と基礎代謝に大きな関連性はありません。
厳密に言えば、筋肉量が増えると基礎代謝が上がるのは事実です。しかし、筋肉が増える量に対して、基礎代謝はわずかしか上がらないのです。
だから、筋トレのダイエット効果はないに等しく、ダイエットの手段として筋トレを行ってもたいして意味がないと言えます。
筋肉が増えると基礎代謝がどれだけ上がるのかを数値で示すと、筋肉が1キロ増えるごとに基礎代謝が13kcal増えます。
また、一般人が筋トレで1日に増やせる筋肉量は、1日当たり7g程度です。
よって、1ヶ月間、毎日真剣に筋トレをしても、増える基礎代謝量は2.73kcalです。基礎代謝が2.73kcal増えた程度で、痩せやすい体質になれたとは言えません。
しかも、筋トレをさぼると筋肉量は減っていきます。
一生筋トレを継続してムキムキの体になる覚悟があるなら話は別ですが、そうでない限りは筋トレにダイエット効果を期待するべきではないでしょう。
確実に基礎代謝を上げる方法
では、確実に基礎代謝を上げる方法としては何が考えられるのでしょうか。
消極的に基礎代謝を上げる方法(基礎代謝の低下を防いで現状維持する方法)は、上に記載した基礎代謝に関係するビタミン・ミネラルを補うことです。
ビタミン・ミネラル不足が原因で基礎代謝が低下している場合、少なくとも基礎代謝を正常な数値まで引き上げる効果は十分に期待できます。
ただし、元々ビタミン・ミネラルの摂取量が十分に足りていた場合、基礎代謝に関係するビタミン・ミネラルを過剰に補っても基礎代謝は全く上がりません。
その意味で、これは消極的に基礎代謝を上げる方法にすぎないのです。
では反対に、積極的に基礎代謝を上げる方法はあるのでしょうか?
その1つの方法として、酵素ダイエットが挙げられます。
酵素は基礎代謝に深く関わっている成分です。なぜなら、人間を含めた生物の体でエネルギー代謝が行われる時、酵素が必須の成分だからです。
体内におけるエネルギー代謝は、クエン酸回路と解糖系の2つのしくみで行われています。
例えば、クエン酸回路を例に挙げると、三大栄養素(糖質、脂肪、たんぱく質)からアセチルCoAを生成し、これがクエン酸回路で酸化されてATP(生体のエネルギー通貨)が合成されます。
その全ての過程(アセチルCoAの生成、クエン酸回路におけるATP合成)で酵素が必須です。
要は、酵素ドリンクを飲んで酵素を補うことで、クエン酸回路におけるエネルギー代謝の効率が上がるわけです。
エネルギー代謝は基礎代謝とも言い換えられるので、酵素の摂取は確実に基礎代謝を上げる方法だと言えます。